INTERVIEW

CASSETTE STORE DAY アンバサダーにChapman就任



4人組バンドChapmanが2022年のカセットストアデイのアンバサダーに就任しました。

土井裕介 (Gt)、Neggy Yutaka (Vo/Gt)、柿沼大地 (Key)、上原悠馬 (Ba):コメントは順不同

--カセットストアデイのアンバサダーにご就任おめでとうございます。9月28日5th Single『RED』 デジタルリリースのツイッターに「RED、 覚悟を込めて作りました」とありますが、この覚悟とは?

Chapman
- 音楽に対してこれまで割とまっとうに真面目な戦い方をしようとしてきました。これからは、既存のやり方にとらわれず、今までのミュージシャンのブランディングだとあり得ないようなやり方をしようかなと思っています。その上で、本物のミュージシャンとして生き残っていく、ことをやっていこうと思っています。


--皆さんはCDからストリーミングに移った世代だと思われますが、カセットについて体験など教えてください。

Chapman
- 幼少の時、毎年行っていたスキーの行き帰り時はカセットでサザンとかユーミンとか流していました。でも自分でゲトるのはCDからでしたね。
- 母がイギリスにいたので家にはカセットが沢山ありました。AOR世代のテープだったと思います。
- 家に古いラジカセがあったので、ラジオで新曲がオンエアされるときに録音とかして、後で聴いたりしていました。
- 父がロンドンでソニー勤務ということもあり、家には小さい頃から音楽製品があり聴いていました。もちろんカセットプレーヤーもソニー製です。


--かつてのカセット世代は自分でミックステープを作り高速道路に入ったらこの曲を流すとかしていましたが、皆さんにはこのような経験がありますか?

Chapman
- これはまさにDJだね、女の子一人のためにDJ!(笑)
- 幼少期は車にカセットがあって、スキーの行き帰りにミックステープとか聴いていました。
- メンバーは曲のチョイスがいいので、これ流したいな、とかあります。あとは乗っているひととの相性ですかね。
- 彼女の誕生日に自分のオリジナルのインスト作った曲を、カセットでめっちゃデザインかっこいいやつに閉じ込めて一曲入れてプレゼントしたこともあります。


--若い世代がレコードやカセットなどのアナログに興味を持つようになってきていますが、理由としてはサウンドのみならず、ファッション感など?

Chapman
- アナログについては音楽の歴史を感じるような視点を重視しています。ファッションというより服もそうで、時代を感じるのが好きです。例えば、「父の小さいことはこうだったんだ」とか。そのように感じるのが好きです。
- 実は今日エチオピアの結婚式のミックステープを持ってきています。笹塚の雑貨店「サイロサイビン」というニューヨーク出身の旦那さんと日本人の奥さんがやっている店で買ったのですが、そういう一期一会というか、サブスクだと流れてしまいがちなことに対して、この出会いを覚えておくという封じ込めたい思いから記念に買ったりもします。
- 一曲一曲大事にしたいというのはChapmanにあります。リスナーとしても適当に聴きたくないとか、思いれのある曲を大事にしたいという人が増えてきて、そういう人がカセットを注目している。昔の曲で気に入ったらそれを物として改めて買いたいという人が多いんじゃないかな。そういう時代の空気感とか。やっぱ、レコードとかカセットとかクールだし、そういう媒体でとっておきたいという人が多いと思う。
- CDとかストリーミングサービスよりも、出会いとか発見の場として大きいんじゃないかな。レコードショップは、お店の方の趣味とか色があると思って、自分の範疇というか守備範囲以外に出会える場。サブスクだとオススメに出てくるのはどうしても自分好きな回りしでしかない。アナログは全く自分の趣味以外のものにいい出会いがあります。実際に足を運んで探すという行動みたいなものは、多分サブスクじゃ得られない。そのエネルギーみたいなものを持っている人はいいと思う。


--サブスクだと自由にプレイリストを作って曲順関係なく聴いたりしていますが、アナログは順番に聴く必要があり、B面は裏返す必要もあります。アルバムを作るときなど曲順のこだわりについてお聞かせください。

Chapman
- 曲をまとめて出すときは毎回テーマとかコンセプトがあります。1曲目から6曲目になって起床完結がやっとつくようなするようなストーリーを立てたりします。この前出したMIRRORSもそう。愛の行方と言って、「愛」にフレーズを付けて、「愛」の流れでストーリーを組んでいます。
- 反対に結構サブスクが好きな面もあります。先程話に出た高速道路の時の曲もそうなんですけど、聴いている人のクリエイティビティや創造性は、半ば音楽にも参加していると思うのです。作り手だけではなく、受け手の人が自分の中で色々なアーティストの流れみたいなものを見つけて、自分なりにその流れを構築するのがプレイリスト。その一方通行でないプレイリストは面白い面があります。この曲のこの後にあの曲の始まりってめっちゃいいじゃん、と思うこともある。
- DJ的な感動もいいし、作り手のその意志やストーリー性のコンセプト的なアルバム通した流れもいいし、どちらもいい。
- ライブのセットリストと同じかな、流れの再構築です。ライブに近いね。


--アナログメディアにはA面とB面があり、アーティストはA面からB面に進んでいく際、B面の1曲目には新たな思いれがありました。A面の最後に入れたい曲、B面の最初に入れたい曲などありますか?

Chapman
- インストになるかな。インタールードみたいな。
- 壮大にA面が終わって、B面はあんまり豪華でない感じのイントロで始まるとか。
- アナログのテクニカルな制約というか、音楽の歴史における制約的なものが好きです。例えば、アメリカにおいて、あまり資金のない教会はパイプオルガンを導入したいけど建物ごとの工事が必要な為に膨大な費用がかかるので、代わりに「ハモンドのB3電子オルガン」を導入したところが多かった、という話が有名です。これって制約みたいなものですが、時代の流れの中で今はハモンドのB3はゴスペルにはかかせないものになっている。制約があるから音楽が発展した。
- 「ローファイ」ってカセット出身ですが、でも、実際にはカセットってめちゃ「ハイファイ」じゃないですか。しかしながら時間がたって伸びたテープの影響でチューニングが変わって、その感じから「ローファイ」って来ていると思うんです。そういうのが何か面白い。
- なんか聴きたくなってきた、カセットの音楽!


--最後にカセットに興味がある方へメッセージをお願いします。

Chapman
- デジタルは基本的には劣化しないけど、カセットはいい意味で劣化する良さがあります。古着好きはカセットとか。そういうものに触れる事はすごくいい刺激になるんじゃないかな、と思います。人間だって歳をとるし、カセットって温度感が冷たくないというか、すごく人間に近い気がする。そういうのがすごくいいと思います。
- 劣化しないように大事に保管したいというか、愛するということだよね。
- 結局、音楽機材って「テープ発祥」って多いよね。最近、それこそ敢えてピッチずらしたりするプローチが増えてきたりして、ローファイ系がそう。でも、人間の耳ってそれでも大丈夫で、不協和音と言われたものだって聴いてれば聴けるようになってきているし、いい意味で不安定。
- 新曲「RED」の鍵盤はちょっとだけ「ピッチ」揺らしていますので、是非、聴いてみてください。




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Cassette Week / Cassette Store Day Japan 事務局

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